報道発表資料
この度、令和2年度の冬期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。
1.趣旨
環境省では、屋外照明による光害を防止することが重要になってきていること等を踏まえ、平成30年度から星空公団との共同で夏と冬の2回、肉眼による観察とデジタルカメラによる夜空の明るさ調査を呼びかけています。
星空観察は、環境保全の重要性について関心を深めていただく良い機會となるだけでなく、星空を地域資源として宿泊客の誘致に活用するなど、地域づくりにも貢獻することが期待されています。
この度、令和2年度の冬期観察で実施した、デジタルカメラによる夜空の明るさ調査の結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。なお、この調査は星空公団と共同で実施しました。
2.デジタルカメラによる夜空の明るさ調査概要
(1)観察期間と観察時間
令和3年1月4日(月)~同年1月17日(日)
日沒後1時間半~3時間半まで
?。ē签`タ投稿受付期間:令和3年1月4日(月)~同年2月15日(月))
(2)調査方法
デジタルカメラを用いて天頂付近の星空を撮影し、その畫像データから「夜空の明るさ」(星空の見やすさ)を測定しました。具體的には、(1)の観察期間中に、全國各地の調査參加者により所定の條件下で撮影された天頂付近の星空の畫像データを、報告サイトを通じて環境省に送付していただき、畫像解析によって「等級(mag/□"):(マグニチュードパー平方秒角)」を単位とする「夜空の明るさ」を求めています。
「夜空の明るさ」の値が大きいほど夜空が暗いことを示し、星が見えやすい狀態になります。
こうしたデータを継続的に調査することで、地域における光害や大気汚染の狀態に関する啓発材料として、積極的に活用することが期待されます。また、星空の地域資源としての活用にも資するため、今後継続的なデータの蓄積を進めつつ、我が國の実態に即した活用手法の検討を進めます。
※夜空の明るさを測る単位及び測定方法は、參考資料(添付「夜空の明るさについて」)を御覧ください。
3.調査結果
(1)実施狀況
令和2年度冬の星空観察の有効データ數は500件(うち、継続観察登録地點における有効データ數は235件)でした。また、継続観察登録地點として登録されている357地點のうち、176地點からデータの投稿があり、116団體と個人60名が星空観察に參加していました。継続観察登録地點の登録の推移は表2の通りとなっています。
表1:令和2年度冬期観察參加狀況
データ投稿総數 |
558 件 |
有効データ數(注1) |
500 件 |
継続観察登録地點(注2)におけるデータ投稿総數 |
242 件 |
継続観察登録地點における有効データ投稿數 |
235 件 |
投稿のあった継続観察登録地點 |
176地點 |
投稿のあった継続観察登録地點の參加者內訳 |
団體 116団體 個人 60名 |
(注1) 有効データとは、投稿されたデータ(総數558件)から、雨天、観察時間外、観察期間外、カメラ設定が 極端に異なるデータを除いたもの。
(注2) 継続観察登録地點とは、平成30年度から実施している「夜空の明るさ」調査において、継続的に同じ撮影場所で観察(夏冬)を実施する方を対象に、環境省が一つの撮影場所につき一つの番號を発行し、継続的なデータの蓄積を行っている地點のこと。
表2:継続観察登録地點の登録の推移
H30夏 |
H30冬 |
R1夏 |
R1冬 |
R2夏 |
R2冬 |
|
継続観察登録地點総數 |
91地點 |
282地點 |
317地點 |
345地點 |
348地點 |
357地點 |
※令和2年度冬期観察における継続観察登録地點の新規登録については、登録地點數の少ない県のみ申請を受け付けました。(9地點:別紙1參照)
(2)結果の概要
①「夜空の明るさ」等級ごとの件數
表3:「夜空の明るさ」等級ごとの件數(有効データ)
等級(mag/□") |
有効データ投稿數 |
継続観察登録地點における有効データ投稿數 |
21 以上 |
71 件 |
38 件 |
20 以上~21 未満 |
210 件 |
104 件 |
19 以上~20 未満 |
108 件 |
46 件 |
18 以上~19 未満 |
64 件 |
21 件 |
17 以上~18 未満 |
39 件 |
22 件 |
17 未満 |
8 件 |
4 件 |
500 件 |
235 件 |
※継続観察登録地點のうち、天の川が見えやすいと考えられる20等級以上であった地點については、別紙2を御覧ください。
(參考):「夜空の明るさ」の目安(個人差があります)
等級(mag/□") |
|
21 以上 |
天の川の複雑な構造が確認でき、星団などの観測ができる |
20 以上~21 未満 |
山や海などの暗さ、天の川がよく見られる |
19 以上~20 未満 |
郊外の暗さ、天の川が見え始める |
18 以上~19 未満 |
住宅地の明るさ、星座の形がよく分かる |
17 以上~18 未満 |
市街地の明るさ、星座の形が分かり始める |
17 未満 |
都市部の明るさ、星はほとんど見られない |
(星空公団提供資料より)
②継続観察登録地點における地域區分ごとの「夜空の明るさ」等級
表4:継続観察登録地點における地域區分ごとの件數及び「夜空の明るさ」等級について(有効データ)
地域區分 |
件數 |
平均値 (mag/□") |
最大値 (mag/□") |
最小値 (mag/□") |
住宅地域 |
57 件 |
19.10 |
21.37 |
16.61 |
商業地域 |
17 件 |
17.94 |
19.99 |
16.67 |
農業地域 |
39 件 |
20.23 |
21.64 |
17.99 |
森林山間地 |
55 件 |
20.70 |
21.84 |
17.28 |
自然公園等 |
51 件 |
20.35 |
21.62 |
17.49 |
工業地域 |
1 件 |
18.29 |
18.29 |
18.29 |
その他 |
15 件 |
20.53 |
21.89 |
18.70 |
235 件 |
図1:地域區分ごとの「夜空の明るさ」等級の割合(単位:等級(mag/□"))
4.その他
(1)星空観察の推進について
平成29年度の「星空観察の推進手法に関する検討會」の結果について、環境省ホームページ(http://www.samurai-entrepreneurs.com/press/104711.html)で公表しています。
(2)星空公団による「デジカメ星空診斷」
デジタルカメラによる夜空の明るさ調査は、星空公団と共同で実施しています。
星空公団では、環境省が昭和63年から平成24年まで25年間にわたって続けてきた全國星空継続観察が休止となった後、その代わりとなる夜空の明るさ観察を実施してきました。詳細は、星空公団ウェブサイト(https://dcdock.kodan.jp)を御確認ください。
添付資料
- 別紙1 令和2年度冬期観察デジタルカメラによる夜空の明るさ調査結果 [PDF 581 KB]
- 別紙2 令和2年度冬期観察「夜空の明るさ」が20等級以上であった地點 [PDF 262 KB]
- 別紙3 令和2年度冬期観察デジタルカメラによる夜空の明るさ調査結果一覧 [PDF 964 KB]
- (參考資料)夜空の明るさについて [PDF 587 KB]
連絡先
環境省水?大気環境局大気環境課大気生活環境室
- 代表03-3581-3351
- 直通03-5521-8298
- 室長山本 郷史(內線 6540)
- 室長補佐石関 延之(內線 6541)
- 擔當山 眞實(內線 6549)