若林大臣記者會見録(平成19年3月27日)
1.発言要旨
本日の閣議ですが、一般案件4件、國會提出案件10件、政令41件、人事と資料配布でした。環境省の主請議、共同請議ともにありません。
私からは以上です。
2.質疑応答
(問)昨日、東京簡易裁判所で古紙回収業者が世田谷區の條例に反し、ごみ集積場から無斷で古紙を持ち去ったことについての裁判があり、結局無罪になりました。この中で裁判官が、廃棄物処理法にも古紙の無斷持ち去りについての罰則規定がないにも関わらず區の條例でそうした規定を設けたのは裁量権の逸脫だという趣旨のことをおっしゃっていたそうです。古紙を無斷で集積場から持ち去るケースは全國で結構あるかと思いますが、それに対して罰則を法律で設けるかどうかということに関して大臣はどのようにお考えでしょうか。
(答)こうした判決があったことは聞いておらず、承知していません。しかし大変関心のあることです。擔當に法制の在り方も含めて至急聞いて検討します。今それだけ古紙の取引価格が上がっているということでしょうか。
(問)同じように、生計のためにアルミ缶を集めている方々がいる一方で、出した側の住民はそれに納得がいかないというような問題がいろいろな地域で起こっていますが。
(答)廃棄物に経済的価値があるが故にそれが適正にリユース、リサイクルされることがしっかり見通せるなら、これは一つの経済行為として良いと思いますが、中古家電のように使用するかのようにして実は廃棄そのもので輸出してしまうなど、ペットボトルなどもそうですが、その結果全體として廃棄物の適正処理が行われなくなるということだと本末転倒です。擔當部局に検討するように伝えておきますし、私も勉強しておきます。
(問)先週もお伺いしましたが、本日で石綿新法施行から1年となり、昨日は被害者団體などが早急な見直しを求めたりしましたが、これについてはいかがでしょうか。
(答)昨日、次官が皆さんからいろいろと御質問を受けて詳しくお答えしていると聞いていますし、その內容についても聞いています。私の考えも次官からの御説明と全く同じです。
(問)では5年以內に知見の蓄積に努めるということでしょうか。
(答)5年経たなければと言っているわけではなく、附則に書かれていたものを附帯決議で5年を待たずにとされています。所要の知見を集積させ、必要が出てきた時には改正することもあり得るということですが、今まだ新しい知見がそれほど出てきているわけではありませんし、今すぐ検討するというような予定は持っていません。
(問)水俁病の認定患者の救済について、週明けにも実態調査が始まるということですが、患者団體の中にはかなりの方が協力しないと言っているようですが、それが調査全體に與える影響をどのように見ていますか。また環境省としてどのように対処しようとお考えでしょうか。
(答)協力をお願いする姿勢を続けるということだと思いますが、協力いただけないのがどの程度であって、調査の目的を達しない程度のものになるかということについて予測しているわけではありません。調査は調査としてそれなりのデータの集積は可能なのではないかと考えています。
(問)昨日、公害健康被害補償不服審査會裁決が出されましたが、最高裁判決で勝訴した女性について、不服審査會裁決では行政の認定基準に照らせば棄卻だという判斷が出ました。ここでまさに司法と行政の違いが出ましたが、率直に一般市民から見ればなぜそうなるのかというわかりにくさがあると思います。大臣はこれをどう受け止められていますか。
(答)裁判の判決は當該個々の事案について、幅広く個別の特殊事情もすべて含めた上で該當者の主張を容認するかどうかという視點で見ていますが、行政側の判斷基準はそうした一つ一つの事情を入れた基準ではなく、一般的な形で基準を定め、その基準に従って判斷をすると定めていますので、必ずしも一致しない場合があり得ると思います。行政上の判斷基準と裁判での救済の有無では、質が違うように思いますし、裁判の基準というのは少し違うのではないかと思います。私は法律上の扱いについて専門的にわかっているわけではありませんが、當該紛爭事案についての処理に當たっての判斷なのではないかと思います。必ずしも基準が2つ出ているというような捉え方はしていません。裁判は裁判として獨自の判斷をする余地は常にあると思います。
(問)今回の女性に関してというわけではありませんが、こうした場合、やはりこの女性も水俁病であると大臣自身お思いになりますか。
(答)申し訳ないですが、當該事案自身については承知していません。
(問)本日、戦略的環境アセスメント総合研究會がありますが、電力會社は自民黨経済産業部會において発電所を対象に入れることにかなり反対していますが、これについてはいかがでしょうか。
(答)本日17時から総合研究會が開かれることになっており、そこでいろいろな御意見が出されると思います。事業者側から今御質問にあったような懸念が表明されていることは承知していますが、研究會がそれをどう判斷するかについて、判斷前に私が申し上げるわけにはいかないと思います。研究會の判斷を待って取扱いを決めていくと思っています。
(以上)